2013年6月27日木曜日

第3回「グローバル子育て講座」を開催しました

第3回「グローバル子育て講座」を開催しました。
日時: 2013年6月25日(火)10:30-11:30
天気: 晴れ
場所: 元明倫幼稚園
参加者: 4名のお母さん、5名の乳幼児、ゲストスピーカーのアウリアさん(インドネシア・ジャカルタ出身)と委員スタッフ2名の12名が集まりました。参加者の中でインドネシアに行ったことのある方は3名。

アウリアさんは、2012年11月にご主人の留学に伴って、現在小学2年生と年長のお子さんたちと共に京都にきました。
まず、インドネシアについて、カラフルで見応えのある写真をみながらインドネシアの観光、自然、動物、宗教、民族、人口、言葉、文化、食べ物などについて英語で説明がありました(委員が通訳)。
日本での生活で困ることは、主に3つあるとのこと。ところどころ日本語も交えて話されました。
①言葉ー「日本語はむずかしいよね。」

②食べ物ーイスラム法の下では豚肉を食べることは禁じられていますが、その他の食品でも加工や調理に関して一定の作法が要求されます。この作法が遵守された食品がハラールとされていてます。アウリアさんは日本で、魚や鶏肉を食べたり、荒神口のイスラム文化センターでハラール・ミートを買ったりしています。「すし、うどん好きです。」またお酒は飲みません。

③お祈りー1日5回お祈りをします。インドネシアでは日の出と日没の時間がどのシーズンでも大きく変わりませんが、日本は季節によって違います。また祈る場所も無いので、子どもと遊びに行った公園でお祈りをすることもあるそうです。

京都での生活は大変なことも多いですが、生活をとても楽しんでいるとのこと。京都での生活をはじめる際には、とても混乱していましたが、偶然出会った日本人のお友達に幼稚園探しから、買い物の場所を教えてもらい、ずいぶん助けてもらったそうです。京都の人は、やさしい、親切、いつも助けてくれる、と嬉しそうに話されました。

娘さんの学校の先生もとても献身的で、英語での会話に限界はありますが、伝えよう、どうにかコミュニケーションをとりたいという気持ちが伝わってくるようです。公園や、図書館などといった公共施設もフル活用し、美しい京都での生活を楽しんでいるとのことです。

今回の講座では、参加者から質問も多数ありましたが、アウリアさん自身からも「おいしいお寿司屋さんはどこ?」「こどもの遊び場でおすすめは?」といった質問が寄せられ、参加者みんなで答えました。また「日本から学ぶことがたくさんある」と日本人の意識や習慣、文化にも関心を寄せていました。特に、特に、来日時は太めだった娘さんが、よく走れるようになり、知的教育以外にも健康や人格教育にも配慮されている点が、日本は素晴らしいと話されました。

普段の生活だけでは、日本人が外国籍住民との接点を持つことも、また外国籍住民も地域とつながる機会はなかなかありません。16班が取り組む「グローバル子育て講座」は、外国籍住民にとっても生活情報交換の場や地域とつながるきっかけになります。京都市民と外国籍住民が、気軽におしゃべりしたり、相談したりする場づくりも、「外国人にとって住みやすいまち・京都」を目指す上で大事なことのようです。
先日6月22日の定例会議で、(公財)京都府国際センターと(公財)京都市国際交流協会にヒアリングを行った際、以下の話題があがりました。

ボランティアによる日本語教室が果たす役割は極めて重要であり、日本語教育のみならずいろいろな生活情報の交換の場となっており、まさに「多文化共生の核」となっている。これがないと困っている外国籍住民と接点を持つことも難しい。

日本語教室以外にも、地域の子育てひろば、保育所、学校、自治会など、多文化共生の核になる可能性がありそうです。これからもさらにメンバーみんなで意識、知識を高めていきたいです。


当日は外国人支援に関するパンフレット、多言語で書かれている情報・資料などを展示しました。
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今後の講座の予定です。
★ 外国籍住民のゲストと共に、世界の子育てや、京都の多文化事情を学ぼう ★


対象:  乳幼児の子育てをしている方 (お子さん同伴歓迎♪: 保育はつきません)
 国際交流、多文化共生、京都市での子育てに関心がある一般の方。


時間: いずれも10:30~11:30 (開場10:00~)  参加費: 無料   事前申込: 不要


会場 ・ 開催日 ・ ゲスト出身国

ひだまりコーナー 【中京区、京都市壬生保育所(姉小路通西大路東入る)】地図
 7月4日(木) タカノ・ヴィオレッタ・ミサキ(ブラジル出身の日系お母さん)
 7月11日(木)  張健(中国出身のお父さん)


ジャフォール 多言語子育てひろば 【上京区、ほっこりはあと出町(葵橋西詰)和室】地図
 7月8日(月) 日本カナダ子育て比較研究者

お問合せ: 吉永(第4期 京都市未来まちづくり100人委員会 委員)
        電話:090-1711-1307 
        Eメール: hatmiu★hotmail.com (★を@に変えてください。)

2013年6月13日木曜日

第2回「グローバル子育て講座」を開催しました

京都市未来まちづくり100人委員会「外国人にとって住みやすいまち・京都」チームでは、地域とつながる子育て家族を主な対象として、全6回の連続講座「グローバル子育て講座」を開催することで、外国籍住民が個性や文化紹介をする機会、一般的な日本人がより広い視野・経験をもとに考える機会を増やし、日本人も外国出身の人も一緒に活気ある地域社会をつくっていく環境を作りたいと活動を始めました。

第2回目となる「グローバル子育て講座」を6月10日(月)、開催しました。

日時: 2013年6月10日(月)10:30-11:30
天気: 晴れ
場所: ほっこりはあと出町
参加者: 9名の一般参加者、19名のママ、15名の乳幼児、4名の委員スタッフ、計47名

Jafore 日本語を母語としない家族のための子育て支援チームが毎月開催する「多言語子育てひろば」と、京都市未来まちづくり100人委員会とのコラボ講座。

ネパール、インドネシア、韓国、中国出身の家族も一緒に集い、総勢47名。一緒に多文化共生について考える回となりました。

はじめに委員の西から、全体の説明、次いで委員の吉永から100人委員会の取り組み、16班「外国人にとって住みやすいまち・京都」についての紹介、委員の西から京都市に住む外国籍住民についてのプレゼンテーションがありました。「多文化共生社会」、「オールドカマー」、「ニューカマー」という用語を聞き慣れていない参加者が多く、一般の日本人が京都に住む外国人について関心を寄せる第一歩となりました。


講師は、中国出身、スウェーデンと日本で出産をし、2人の子ども(5歳と2歳)を京都で育てているZuo Pingさん。「スウェーデンと日本での出産」についてお話しいただきました。
*詳しいお話の内容について、文末にまとめてありますのでご覧ください。

スウェーデン、日本での検診、出産、産後、乳児検診、予防接種などについてお話いただき、どの参加者もとても真剣に聞き入っていました。初乳をあげるタイミングについて、入院期間について、など、参加者自身の体験談を交えながらたくさんの質問がありました。日本、インドネシア、韓国、中国、スウェーデンの妊娠・出産事情についてにも話が広がり、とても活発に情報交換をしました。

ネパール出身のティラクさんにネパール語で1から10までを教えていただく時間もありました。ネパールでいないいないばぁは、「チャイナチャイナチャイナ~」と言うそうです。
最後は英語の『First the Egg』という絵本の読み聞かせがありました。


たくさんの参加者が集い、多文化共生社会について知り考えるきっかけとなり、とても有意義な時間でした。講師を務めてくださったZuo Pingさんからは、「自分の話をすることができてとても嬉しかった。機会(chance)をありがとう。」とコメントいただきました。外国籍住民の活躍できる場があることも、「外国人にとって住みやすいまち・京都」を目指す上で、とても重要なことかもしれません。

次回、第3回「グローバル子育て講座」は以下の通りです。お楽しみに!!
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日時: 625日(火)10:30-11:30(10時開場)
講師: インドネシア出身のAuliaさん
場所: 明倫こども広場 【中京区、元明倫幼稚園(室町通蛸薬師下る)遊戯室】 地図
参加費: 無料   
事前申込: 不要
お問合せ:  吉永(第4期 京都市未来まちづくり100人委員会 委員)
        電話:090-1711-1307 
        Eメール: hatmiu★hotmail.com (★を@に変えてください。)
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【Zuo Pingさんのお話のまとめ】
5歳と2歳のお子さんを持つ中国出身のZuo Pingさんの体験談
ルンド大学病院(スウェーデン南部)と京都大学病院での出産の違い

・ ルンドでは、妊娠が分かると地域の病院にて、担当助産師を決定。出産まで同じ助産師が健診。 日本は男性産婦人科医が多いが、スウェーデンの助産師は全て女性。異常がなければエコーは2回のみ。

・ ルンドでは出産予定日が近づくと両親学級が設定され、出産時の呼吸法や身体をリラックスさせる方法、夫が妻に肩や脚のマッサージをする方法が教えられる。

・ 入院のタイミングは、両方の大学病院で、子宮口が指3本分開いた時。京都大学病院では、分娩までは陣痛室で待機だったが、ルンド大学病院では、初めから設備の整った分娩室へ。夫もそばにいることができ、看護師たちが冷たい飲み物やマッサージを随時提供してくれる。

・ ルンド大学病院では、看護師の提案のもと、痛みを緩和する様々な方法を試した。1)あたたかい風呂に入る。2)大きなボールやベッドの端に様々な姿勢で寄りかかる。3)頭への鍼(はり)。なお、腰への局所麻酔を希望したが、悪影響がでるかもしれないので、却下された。

・ ルンド大学病院では、出産後、3人部屋で過ごした。夫は夜間以外付添い可能だった。母子の健診の後、母子でホテルに移動し、医師の許可を得るまで、2~3日間待機した。ホテルは病院と直結している。京都大学病院では4人部屋で回復するまで過ごし、夫と会えるのは、面会室での限られた時間だけだった。

・ ルンドでは帰宅後、看護師が自宅へ来るように設定されていた。その後、1カ月目は週1回、指定の場所で赤ちゃんの健診を受けた。2ヶ月目は2週間おきに、3~6カ月は毎月健診を受け、そして1歳と1歳半の時にも健診があった。ルンドでは予防接種は、看護師がスケジュール管理してくれて、母親が気にかける必要はなかった。

・ 京都では、産後1カ月以内に看護師が自宅に健診に来た。その後、何かあったときには、自分で病院に行く必要があった。予防接種も、いくつかの集団接種以外は、自己判断で病院に行かなければならない。

・ ルンドでは、全ての妊婦健診、出産、産後健診、予防接種は無料だった。京都では、まず自分で支払い、後で政府に申請して補助金をもらう。所得状況により、補助金額が異なる。


参加者からの質問: 出産後、赤ちゃんに会えたのはいつ?
答え: 赤ちゃんを洗ってすぐ。日本でもそう頼んだ。
・ 韓国で出産の参加者:
すぐに会いたいと頼んだが、3時間後くらいにやっと。スタッフは赤ちゃんが温度や光に慣れる必要があるから、と説明し、すぐの面会を渋っていた。
・ インドネシアで出産の参加者:
7年前の出産時は1晩あけてから対面、5年前の出産時には、病院スタッフをせかして2時間後。現在は、政府やNGOが母乳や母子の愛着のために、すぐに対面することを推奨している。

質問: 病院での食事は?
答え: ルンドでの食事はブッフェ形式だった。

質問: スウェーデンの離乳食は?
答え: 4~6カ月頃から、野菜をすりつぶしたもの。
街では、冬でも離乳食の缶詰から直接与えているのをよく見かける。

質問: スウェーデンでの、子育て支援施設は?
答え: 幼稚園の他にも、ほっこりはあと出町のような乳幼児親子の遊び場が地域毎にある。

質問: スウェーデンの冬は大変では?
2年半滞在したが、ルンドは南部の町なので、そんなに大変ではない。室内はセントラル・ヒーティングで温かい。

2013年6月2日日曜日

第1回「グローバル子育て講座」を開催しました


日時:2013年5月31日(金)10:30-11:30
天気:晴れ
場所:元明倫幼稚園
参加者:7名のママ、8名の乳幼児、6名のスタッフ、計21名

5月31日(金)、第1回「グローバル子育て講座」を元明倫幼稚園にて開催いたしました
天気は快晴。総勢21名が集まり、一緒に楽しく多文化共生について考え学ぶ機会を得ることができました。

委員の吉永から「京都市未来まちづくり100人委員会」の説明、16班「外国人にとって住みやすいまち京都」の取り組みについての話があり、その後、委員の西から京都市の外国籍住民について概略をつかむシンプルなプレゼンテーションがありました。

外国籍の人と、この一年の間に話をしたことがある参加者はおらず外国籍住民を身近に感じる第一歩となりました。

メインタイムには、プラーさん(NPO法人CHARM職員)にお話いただきました。
はじめに、タイのイメージを参加者お一人ずつ伺い、きらびやかな寺院、マッサージ、辛い料理、微笑みの国など、エキゾチックなタイのイメージを共有しました。



市場、バス、船といった街の様子の写真を見ながらタイの雰囲気を味わい、タイの国、子育て事情、日本の外国籍住民の様子、国際結婚についてなどの話を聞き、日頃の子ども中心の世界から、パッと視野が広がる体験ができました。

タイでは、共働きがほとんどで地域で子どもを育てるとのこと。夏休みには職場に子どもを連れてきたりすることもあるとか。また、日本と違って、それほど超裕福な家庭でなくてもお手伝いさんが普及しているそうです。外食することも多いそうです。(羨ましい!)レストランでも子どもは大歓迎。従業員さんが子どもを抱き上げて面倒を見てくれることもあるそうです。

タイの子は、学校帰りに屋台でちょっと食べることが多く、下校時間の学校前には屋台が並んでいるそうです。お母さんは助かるね、という声も。

一方治安の面では、子どもの送り迎えは親がすることが当然で、本のような集団下校は考えられないとの話もありました。

日本に住んでいる外国住民の困りごととしては、医療機関を受診する際の保険の話がありました。
国際結婚に関するクイズの時間もあり、楽しくタイについて学び、多文化共生社会について考えることができました。みなさんとても熱心に話をきいていました。

講座の参加者からは以下の感想がよせられました。
ぜひまた参加したい。タイの結婚事情(別姓)共働き事情を知れたことがためになった。行ったことがないタイのことを知ることができた。ドアちかマップをもらえて良かった。普段は知りえない子育て事情が知れておもしろかった。

次回、第2回の「グローバル子育て講座」は、6月10日(月)です。
日時:2013年6月10日(月)10:30-11:30
場所:つどいの広場「ほっこりはあと出町」(map)
こちらから詳細をご確認下さい。