2013年7月7日日曜日

第4回「グローバル子育て講座」を開催しました



日時: 2013年7月4日(木)10:30-11:30
天気: 曇りのち雨
場所: 京都市壬生保育所
参加者: ゲストのタカノさん、8名のお母さん・妊婦さん、8名の乳幼児、一般参加者3名とスタッフの2名の合計22名。

ボン・ヂーア!(Bom dia) とポルトガル語の朝のあいさつで始まった、第4回目の「グローバル子育て講座」。今回のゲスト、タカノ・ヴィオレッタ・ミサキさんは、ブラジル、アマゾン出身の日系2世で、15年前に留学で来日されました。学生時代に知り合った中国・北京出身の張健さん(次週講座のゲスト)と結婚、6歳と2歳のお子さんと伏見区向島にお暮らしです。

まずはブラジルの写真や童謡(ネコの歌)を紹介してもらい、そして様々なアマゾンの日用品や土産物 を触らせてもらいました(アマゾンの香草、ひょうたんで作った倒れない器、種のネックレス、雨の音のする楽器(参加の赤ちゃんたちにも好評!)、ピラニアの剥製など)。

タカノさんは、母国流、日本流、中国流、それぞれの良いところをとって子育て楽しんでいる様子でした。

アマゾンでは、ほとんどの部屋でハンモックをつるせるようになっており、子育てにもこのハンモックが欠かせないそうです。母子または赤ちゃんだけで日中のほとんどをゆらゆらしながらのんびり過ごします。ブラジルのハンモックは大型で、横たわる時の角度を工夫するので、寝がえりしても落ちず、ハンモックの半分が上布団がわりにもなるとのこと。

ブラジルでの離乳食は、バナナ、パパイヤ、アボカドなどの(田舎では自宅の庭に生えている)果物をつぶして食べさせるそうです。タカノさんには、離乳食は甘いもの、というイメージがあったので、日本の育児雑誌に“南国の食べ物はアレルギーの心配があるので控えること”、“シラスや納豆も与えましょう”、と記載されていて驚いたそうです。

また出産事情について、ブラジル都市部では帝王切開がほとんどとのこと。妊婦健診回数も少なく、出産後一泊だけ入院して帰宅するそうです。田舎では現在も妊婦健診うけず、陣痛が始まったら産婆さんを呼ぶとのこと。医療が整っていないために、より安全で確実に子どもを産む方法が帝王切開であり、365日24時間出産できる日本は先進国ですね、と話されました。

ブラジルでは、妊婦も立ったばかりの赤ちゃんも大音量の音楽のなかサンバのステップを踏むとのこと。また、妊娠出産で仕事を辞めることもないそうです。保育所は整っておらず、ベビーシッター、おじいちゃんおばあちゃんにお願いすることが多いようです。幼稚園は富裕層だけが利用しており、大学の学費よりも高い費用がかかるそうです。都市部の子どもは町の中で自由に遊ぶことはあまりなく(誘拐などの危険が多いため)、親子で有料の公園などに行ったりします。

参加者からの質問も、父親の育児参加や、社会の子どもに対する態度など、様々ありました。ブラジルではレディーファーストが徹底していて、独身時代に男性は女性に尽くし、女性も大変プライドが高いそうです。結婚後は、家庭内では夫は保守的にふるまい、妻に育児を任せますが、家族で外出時には夫が妻や子に甲斐甲斐しくサービスするとのこと。ブラジルの航空会社ではキャビンアテンダントはほとんど男性なのだそうです。

他の文化や習慣について知ったり考えることは、自身の子育てや地域を考え直す機会にもなりそうです。きっと子育てには、「これ!」というひとつの方法なんてなく、世界を見れば、まったく違う価値観や子育ての方法があるんですね。参加者からも「ところかわれば、いろいろ変わるんだなと思った。」「他国の出産・子育て事情も知りたい。」「もっと京都のお母さんたちの活動を知りたい。」「異国での夫婦の関係性や料理などの話は独身者にも興味深い。」といった感想をいただきました。

なお今回タカノさんには、「京都市国際交流会館」の“タブサポ”事業(http://www.kcif.or.jp/interactsupport/homes)を通じてお越しいただきました。地下鉄東西線の蹴上駅に近いこの会館は、国際交流や多文化共生の推進、外国籍住民の生活サポートをしています。今回講座の参加者で、この施設自体を知らない人も約半数。“子育て”というキーワードから、今まで国際交流などに関心がなかった方にも、京都にすんでいる外国籍住民について知ってもらったり、より色々な視点から日本の子育て環境を考えてもらったりする機会を提供できたようです。

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今後の講座の予定です。

対象:  
☆ 乳幼児の子育てをしている方 (お子さん同伴歓迎♪: 保育はつきません、おもちゃは多数あります。)
☆ 国際交流、多文化共生、京都市での子育てに関心がある一般の方。

時間: いずれも10:30~11:30 (開場10:00~)  参加費: 無料   事前申込: 不要
会場 ・ 開催日 ・ ゲスト出身国

ジャフォール 多言語子育てひろば 【上京区、ほっこりはあと出町(葵橋西詰)和室】地図
  7月8日(月) 日本カナダ子育て比較研究者、中国出身ママによる絵本の読み聞かせ、

ひだまりコーナー 【中京区、京都市壬生保育所(姉小路通西大路東入る)】地図
  7月11日(木)  張健さん (中国出身のお父さん)

お問合せ: 吉永 (第4期 京都市未来まちづくり100人委員会 委員)
        電話:090-1711-1307 
        Eメール: hatmiu★hotmail.com (★を@に変えてください。)

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